Education

教育環境

教育理念

土木工学は、人間が人間らしく生きるための環境を創造する役割を担っています。社会が抱える課題こそが土木工学が向かい合うべきものです。このような課題対処分野を,最近はわかりやすく社会環境工学分野とよぶこともありますが、実は人類が社会を形成したときから取り組んできた「土木分野」の仕事が拡張されたものです。

現代の社会が抱える問題が複雑化することで、土木分野に求められる人材と職能も多様になっています。複雑化する課題を多角的に見つめ解決していくためには、さまざまな社会的要請に対して、自ら問題点を発見し、最適な方法・解決策を提案することができる技術を身に付けていかなければなりません。

東北大学 土木系では、今後の土木工学に求められる、創造力、総合力、国際力を備えた指導的人材を育成したいと考えています。

東北大学 土木系が目指す人物像

教育理念を踏まえて、東北大学 土木系が目指す技術者の人物像は下記のとおりです。

1

新たな価値意識を創造できる技術者

21世紀の技術者には、単に利便性や経済性を追求するという旧態の姿勢ではなく、自然災害を克服し、地球環境問題に対処し、安全性と快適性を兼ね備えた豊かで文化的な生活環境を創造するための新しい価値観に基づいて新しい技術を生み出していく能力が求められています。

このような土木工学に新たに求められる価値を自ら創造できる人材を育成したいと考えます。

2

知的総合力を有した技術者

社会基盤施設は、他の工業製品と異なり、設置される場所の自然条件、社会条件が各々違うため、全く同一のものがつくられることはありません。その上、使用される期間が長期で、建設により大規模な環境の変化を生じさせます。このような特徴を持つ社会基盤施設を計画・設計する技術者には、自然科学のみならず、社会科学や人文科学などを融合した幅広い知識を背景とした高度な判断が必要とされます。そのような要請に応えることの出来る人材を育成します。

3

国際力を持った技術者

世界第一級の土木技術を有する我が国に寄せられる発展途上国からの期待は極めて大きく、橋梁技術をはじめとして、道路や鉄道、港湾、空港、上下水道等の社会基盤施設の整備に対する協力要請は質的、量的に拡大しています。発展途上国の社会開発に対する自助努力を支援し、その経済・社会の発展、国民福祉の向上に寄与することは、我が国の技術者に課せられた重要な使命の一つです。

我が国に蓄積された経験を活かし、相手国の歴史・文化と風土を尊重した土木工学により、国際貢献を推進できる人材を育成したいと考えます。

カリキュラムマップ

東北大学 土木系の教育

東北大学 土木系は、基礎的な技術に関わることから始まり、新たな社会的ニーズに応える研究開発に取り組むことができるような能力を開発するカリキュラムを準備しています。

まず、入学して1年間(1、2セメスター)は技術者の素養として数学や物理学などの工学基礎、自然科学、社会・人文科学などを広く学びます。社会・人文科学などの一般的な教養は一見すると土木工学に関係がないように思われるかも知れませんが、土木工学は工学と社会環境とを結びつける学問分野ですので、土木分野の研究や技術開発を進める上で大きな意味を持ちます。もちろん、語学については世界を視野に活躍するために必要不可欠です。

その後、幅広く土木工学全般を学び、多角的なものの見方や、理論の深い理解力、さらには新たな価値意識を身につけていきます。それらに加え、マネジメント能力やプレゼンテーション能力なども養います。

4年目(7、8セメスター)は、研究室に所属して教員の指導を直接受け、土木工学の専門性を磨きます。

これらのカリキュラムは、単なる技術の習得や学問を深めることにとどまりません。社会に貢献できる人材を世界に送り出すことを目指しています。